こんにちは

gallery bauhausスタッフの溝口です。
本日19時よりギャラリー地階にて、
廣見恵子ギャラリー・トーク 
が開催され
ました。
作品が撮られたジャックス・キャバレーは、アメリカ国内で初めて同性愛者同士
の婚姻が認められたマサチューセッツ州ボストンにある、老舗のキャバレー。
昼は紳士服の店長やテレフォン・アポインターとして働く男性たちが、夜になると
そこに集い、派手なメイクと華美な衣装の"DRAG QUEEN"として、妖艶なステー
ジを魅せる――
友人に連れられて訪れた廣見氏は、一瞬でその魅力の虜になってしまったと言
います。そしてQUEENたちについて、ステージで躍動する姿だけではなく、もっと
深く――例えば、どういう風に睫毛をつけているか――知りたいと直談判、控室
での撮影許可をもらったのです。
撮影にあたって廣見氏が最も気をつけたのは、ショーの準備に勤しむQUEENた
ちの邪魔にならないようにすること。撮影に要した約3ヶ月間は、「まるで忍者」と
言われるほど、気配を消してシャッターを切りつづけたと言います。
廣見氏がカメラを始めるきっかけとなった出来事や、専門学校時代の過酷な課
題、卒業後に始めたカメラアシスタントの仕事、その合間をぬって行っている作
品制作などに触れ、再びDRAG QUEENについて――
広くキリスト教が信仰されているアメリカにおいて、同性愛者は悪であり忌むべき
存在として、偏見や、時には暴力の的となることもあるとか。
2005年にハリケーン・カトリーナによって南東部が壊滅的な被害を受けた際にも、
「マサチューセッツが同性愛者の婚姻を認めたから、神の怒りに触れたのだ」
などと唱える人がいたそうです。
アメリカは"自由の国"というイメージが強いので、多少の偏見や肩身の狭さはあ
れど、ある程度オープンに暮らせているものと思っていたわたしにとって、その事
実は衝撃的でした。
そういった環境の中で、「女性の姿でステージに上がる(=カミングアウトする)QU
EENたちの存在は、自らの性に疑問を持つ人々にとって大きな勇気になっている」
と、廣見氏は言います。
カメラを通して交流を深めるうちに、その性について「明確な線引きは必要ない。
男性でもあり女性でもある、DRAG QUEENという生き物なのだ」と感じるようにな
ったと言う廣見氏。
写真は「知らない人を知る手段」というその言葉のとおり、シャッターを切るたびに
少しずつ、廣見氏の心がQUEENたちのそれに寄り添っていったこと、今回お話を
伺ってとてもよく分かりました。
廣見氏の明るい人柄もあって、対談は終始笑いのたえない楽しいものとなりまし
た。
対談のパートナーである田島正夫氏(元アサヒカメラ副編集長)が、カメラ用語な
ど丁寧に解説して下さったので、あまりカメラに詳しくない方にも楽しんで頂けた
のではないかと思います。
たくさんのご参加を頂き、誠にありがとうございました