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東京・御茶ノ水の写真専門ギャラリー、gallery bauhaus(ギャラリー・バウハウス)のスタッフによるブログです。
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原久路×飯沢耕太郎対談
こんにちは パクッ gallery bauhausスタッフの溝口です。

原久路写真展 「バルテュス絵画の考察」 カメラ 3週目の土曜日です。

昨日19時よりギャラリー地階にて、原久路×飯沢耕太郎対談 よつばのクローバー が開催されました。

さくらんぼ

なぜ、バルテュスなのか。
それは原氏の「バルテュス絵画の考察」、その作品世界に触れたとき、誰もが思うこ
とでしょう。
ルネサンス初期の作品を好んで模写し、独学で絵画を学んだバルテュス。
数多くの"イズム"に彩られた20世紀美術の世界に身を置きながらも、そのどこにも
属することなく、良い意味で古くさく反時代的な作品を描く彼の心を捉えたのは少女
でした。
少女を神聖かつ不可侵な存在と信じ、完璧な美の象徴として生涯描きつづけたバル
テュスが、大学時代から好きだったという原氏。
ある日偶然、ネットサーフィン中にバルテュスの絵画を見つけ、その訴求力に衝撃を
受けたといいます。
キュビズム創始者の1人であり、20世紀美術を代表する画家であるピカソにも感じる
ことのできない、何か。
"聖なるものへの純粋なる憧れ"を宿す反面、どこか"計算されたエロシシズム"を感
じさせるバルテュス絵画。
その魅力を写真を通して探りたい、そう思ったのだそうです。

さくらんぼ

シリーズの制作を始めたのは4年前。
被写体となるモデル、衣装、撮影場所、そのすべてに原氏のこだわりが見てとれます。
バルテュスが愛した少女たちを"演じた"のは、演劇経験のあるプロの美術モデル。
作中最も目を惹き、バルテュスの絵画と原氏の写真のあいだに一線を引く存在である
学生服ですが、当初、衣装は知り合いの服飾作家に頼んで作ってもらったシルクの衣
装を使用する予定だったのだそうです。
しかし、いざモデルが着用してみると、その艶かしさがイメージと合わずふりだしに。
再考の結果、選んだのは日本に於ける少女の代名詞とも言える学生服。
「最初に見せたとき、モデルの方に『コスプレは嫌です』と断られてしまいました」と笑う
原氏。
しかしその後、試し撮りをしたポラロイドを見せるとすぐに納得してくれたのだとか。
撮影は埼玉県にある大正時代に建てられた邸宅、病院、入院棟にて、約20日間かけ
て行われました。
モデルは1人2役、巨大なスモーク機を使用し、大きなフードを駆使して多重露光を行
う――撮影は想像以上に過酷なもので、少女役のモデルが首を捻挫してしまうという
アクシデントも。
その無償の情熱は一体どこからくるのか、という飯沢氏の問いに対する原氏の「絵画
と写真が好きなんです」という答え、そのシンプルさがとても印象に残りました。

さくらんぼ

オリジナルの絵画の持つ独特の世界観を見事に再現し、写真評論家の飯沢氏に"絵
画と写真のアマルガム(混合体)"と言わしめた「バルテュス絵画の考察」。
シリーズの制作を通して、自らのフットワークの重さが逆に作品づくりに活きることに
気がついた、という原氏。
一から創ることは苦手といい、今後もモチーフとなるものを探して、その作品世界を
写真で表現することを続けていきたいのだそうです。
そんな原氏の写真には、"何かに託するアート"という飯沢氏の言葉がぴったりだと
思いました。

さくらんぼ

たくさんのご参加を頂き、誠にありがとうございました 星
posted by gallery bauhaus | 17:50 | 原久路写真展 | - | - |
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